ラフランス ミニ知識

ラフランスには「錆さび」といわれる部分があります。
「ラフランス」はその名前のように貴婦人を想わせるような優雅な姿ではありません。形はひょうたん型ででこぼこしており黄緑色の果皮に暗灰色や灰褐色の「錆(くさび)」と呼ばれる肌荒れのような模様ができてしまい、とても美肌とはいえません。そんな訳で東根市などではその姿形から「みたくなし・見たく梨」などと呼ばれます。
ちなみに山形弁では♪みだくなす♪と発音しますだ~ 。

【ラフランスの歴史】

西洋梨は、欧州西部アジア原産で、15~20mに達するバラ科の 常緑高木で、日本梨、中国梨、西洋梨と分けられています。 西洋梨の主な品種としてバートレッド、マルゲリット・マリア、シルバーベル などがあり、ラフランスもこれらの品種のひとつです。
葉は長楕円状卵形。4月に白色の花が咲きます。

北日本が適地で夏期の乾燥が大事で、アルカリ性の 砂質土壌で地下水の高くない土地を好みます。

ラフランスは、クロード・ブランシュ氏(フランス)によって発見され その美味しさに「わが国を代表するにふさわしい果物である」と 賛美したことから、「ラ・フランス」の名前が付いたと言われています。

日本には1903年(明治36年)農商務省農事試験場園芸試験地 (静岡県興津)に導入され、山形県では明治8年頃から植えつけが 行われたと言われています。

その姿形から「みたくなし・見たく梨」などとも呼ばれた時期もあり、 栽培期間が長くかかる、収穫してもすぐに食べられないなど、いくつもの難関を抱え、 長い間他の西洋梨の受粉樹という日陰の身?日陰の実!でありました。

しかし昭和40年代頃から缶詰よりも生のフルーツへと需要が移り ラフランスの真の美味しさが認められ始め、グルメブームの到来により 広く一般的に知られるようになったのです。

【ラフランスの効能】

ラフランスに多く含まれる果糖やぶどう糖は 身体や脳の働きを助ける大切なエネルギー源となります。

果肉が持つ豊富な水分は、髪の毛や肌、爪などに潤いを与え、 身体にたまったた過剰な熱を冷まし、喉や気管を潤し、咳や扁桃腺などの 痛みや糖尿病による喉の渇きを抑え、不足した体液を補う大切な役目を果たします。

ラフランスの水冷機能は、 のぼせや頭痛を伴う本能性高血圧の血圧を下げる効果があると言われています。

また、ラフランスはタンパク質分解酵素を含むので、 脂っこい食事の後に召し上がると消化を助けてくれます。

ラフランスはビタミンB、ビタミンCをたっぷり含んでおり、体力回復に有効です。

ラフランスにも多く含まれている食物繊維は、 便秘予防の効果があるので、お肌の健康にもいいと言われています。

柔らかくなると歯の悪い方にも召し上がって頂けますので、介護食にも取り入れられています。

 
【頑固な姫の取り扱い方】

ラフランスが固い!

そんなときはワイン煮やシロップ煮にしてはどうでしょうか。
これらは固めのラフランスを使うことがコツ。 ラフランスのワイン煮は、赤ワイン、白ワインお好きなほうでどうぞ。

ラフランスはあらかじめ櫛型に切っておきます。 ワイン、砂糖適量、レモン汁またはオレンジ果汁などを少々を入れて火にかけ 沸騰したらラフランスを入れて柔らかくなるまで煮ます。 アクを取りながら、全体に色がつくように煮て火からおろし、 荒熱をとった後、冷蔵庫に入れて十分冷やします。 生クリーム、アイスクリームを添えたり、ミントの葉を添えたりするとおしゃれなデザートに。 タルトやケーキも手軽にできます。シロップもカクテルやゼリーにご利用ください。

ラフランスをすりおろして焼肉のたれに混ぜると甘い香りがしてとても美味しくなります。 また、このたれにお肉を漬け込むと、お肉がとても柔らかくなります。

ラフランスの変身術、他にございましたらどうぞおしえてくださいね。
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